大豆の栄養素はたんぱく質のほか
ミネラル、ビタミン、イソフラボン、レシチン、サポニンなどが含まれています
イソフラボンは大豆に含まれる植物性化合物でアクの強いエグミのもとです
イソフラボンは骨粗しょう症、がん、心臓病、更年期などさまざまな病気の予防に役立ちます
イソフラボンは植物の中でも大豆の胚芽に多く含まれる化合物で12種類あります
大豆イソフラボンの主要なものにはゲニステン、ダイゼイン、グリシテインがあります
これらの化学構造は女性ホルモンエストロゲンに良くにておりエストロゲン同様の働きをもち
女性洋ホルモン、フィトエストロゲンとも呼ばれています
エストロゲンと同様の働きがあり不足するエストロゲンを補えます
イソフラボンは植物性化合物ですがエストロゲンと
同じ働きがあり効力はエストロゲンの1000分の1ですが
大豆製品を摂取した場合血液中のイソフラボンの濃度はエストロゲン濃度の1000倍高くなり
エストロゲン減少によるさまざまな障害に役立ちます
大豆や大豆を使用した食品の中でイソフラボンは糖と結合した
配糖体の形で存在してそのままの形では吸収できません
自然の食品からフィトエストロゲンを摂取するには
食物が腸内でビフィズス菌などにより糖加水分解される必要があります
大豆にはイソフラボンのほかに人に大事な脂質レシチンが含まれます
レシチンは脂質のなかのリン脂質の1種です
レシチンという名前はギリシャ語の卵黄が由来で卵黄に多く含まれています
その他動物の脳や骨髄などの主要器官や大豆に多く含まれています
レシチンは人間の細胞膜には必ず存在して細胞に必要な栄養分を吸収して老廃物を排出してくれます
細胞膜や脳、神経を形成する成分で体重60キロで600グラム体に存在して
水分と脂肪を混ぜ合わせる働きがあり血中のコレステロールを溶かして除去してくれます
レシチンの働きには動脈硬化の予防、老化予防、脳細胞、神経細胞の活性化、高血圧予防
心臓病予防、肝臓病予防、糖尿予防、腎臓病予防、貧血予防、皮膚の疾患予防
肥満予防、妊娠中毒予防、細胞への栄養補給などがあります
レシチンが不足すると様々な疾患病気の原因につながります
女性ホルモン
女性の性機能は間脳の視床下部、脳下垂体、卵巣から分泌されるホルモンによって調節されています
ホルモンの分泌を促すのが視床下部です
脳下垂体からは様々なホルモンが分泌されこの内性腺刺激ホルモンは
女性の卵胞の発育や乳腺の発達乳汁の分泌を促す働きがあります
脳下垂体は視床下部に指令してそれを卵巣に伝えます
卵巣には卵胞ホルモンエストロゲンと黄体ホルモンプロゲストロゲンという
2つのホルモンがありこれが女性の性器を発育させ
子宮内膜を妊娠しやすい状態にさせ乳腺を発達させる働きをしています
卵巣は今度はその情報を脳下垂体、視床下部に
フィードバックさせ視床下部はその情報をもとに再び新たな指令を脳下垂体に出しています
排卵、月経、妊娠後の様々な体の変化など出産後乳汁が出るのはこうしたホルモンが連動しているからです
更年期障害
女性はホルモンバランスが崩れる時期があります
更年期は閉経後の年齢45歳から55歳ごろの時期です
この時期になると卵巣の機能が低下して視床下部が脳下垂体を通じて同じ指令を出しても
卵巣の反応が鈍くなりやがて反応しなくなります
更年期の障害が起こるのは主に卵巣のエストロゲンの減少が原因です
更年期障害の治療には卵巣ホルモンから分泌されるエストロゲン注射や薬で補う治療をします
それに比べてイソフラボンは食べ物で自然の物なのでホルモン剤よりも安全で人工的なエストロゲンを
注射や薬で投与すると不正出血になることがあります
この時期はエストロゲンで抑えていた動脈硬化や高血圧、うつ病、骨粗鬆症などの症状が出やすくなります
更年期の時期にはイソフラボンを今まで以上に摂取をすることが大事です
動脈硬化は動脈の壁が弾力を失い脂肪がたまり石灰が付着して血液の通りが道が狭くなる症状です
30代、40代を超えると誰でも起きる現象で脳卒中、狭心症、心筋梗塞などの病気になる危険があります
動脈硬化の原因は高血圧、コレステロール、喫煙、肥満、糖尿、ストレスなどです
イソフラボンには血圧の上昇を防ぐ悪玉コレステロールを減少してくれます
動脈硬化の予防や進行を抑えるのにイソフラボンは有効です
閉経を迎えると女性のコレステロール値は少しずつ上昇します
これまでエストロゲンが抑えていた悪玉コレステロールの増加を更年期になりエストロゲンの分泌が
減少するために抑止力がなくなるためです
糖尿病、肥満予防
イソフラボンには血糖値を減少しやすくする働きがあり
イソフラボンを摂取することで糖尿病の予防や進行を緩やかにできます
糖尿の予防にはレシチンも役立ちます
レシチンにはインスリンの分泌を活発にして乳化作用により血液中の脂肪を減少させる作用があります
糖尿病では食事療法が基本の治療ですがインスリンは食後、血糖値が高くなるとこれに応じて分泌され
血糖値を下げますが糖尿病ではこのインスリンが上手く働かず食事のカロリーを抑え
インスリンの働きが悪い状態でも血糖値が上昇しないようにします
この場合インスリンの分泌を促すイソフラボンやレシチンがあれば食事療法の効果が高くなります
大豆たんぱく質にはインスリンの分泌を促しブドウ糖を有効に利用する作用があります
さらに大豆イソフラボンもインスリンに反応します
人間の脂肪細胞と協力しながら血液中の糖を脂肪細胞に取り込むことにより減らす働きをします
イソフラボンは脂肪細胞の働きを強化して血糖値を減少させる働きがあります
このインスリンの分泌を悪くするのが肥満です肥満は脂肪細胞が1つ1つ大きくなることです
その脂肪の周りにある前駆脂肪細胞が脂肪細胞となり肥満を引き起こします
脂肪組織が増大する初期にはすい臓は大量のインスリンを出して血糖値を抑えますが
それが長く持続するとすい臓は疲れインスリンの分泌が悪くなります
骨粗鬆症
骨粗鬆症は骨が脆くなる病気です
骨が硬いのはカルシウムがリン酸と結合してリン酸カルシウムとなり
骨の基礎である骨気質に沈着しているからです
骨の外側にはそれを支える骨皮質という板のような骨の層になっており内側には
それを支える網の目のような組織の骨梁と呼ばれ骨粗鬆症では
この骨梁が減少して粗くなり骨資質も薄くなってしまいます
このために骨がすかすかの状態になり転んだだけで骨折してしまいます
骨粗鬆症は閉経後の女性に多く60代から70代になると大勢の女性にみられる減少です
骨粗鬆症が閉経後に起こりやすくなるのは女性ホルモンエストロゲンの減少によるものです
エストロゲンは骨を作るカルシウムの流出を防ぐ働きがありエストロゲンが不足すると骨に以上がおきます
骨粗鬆症を予防するには日光をよく浴びることです
日の光を浴びるのが大事なのはカルシウムを骨に沈着させるビタミンDは日の光により作られるからです
運動は骨に刺激を与え骨の細胞の働きを活発にして老化萎縮を防ぎます
カルシウムは骨を形成する成分で丈夫な骨を作るために欠かせないものです
骨を丈夫に保つにはカルシウムの摂取とともに骨のカルシウムの流出を止める必要があります
エストロゲンには骨からカルシウムが溶け出すのを抑える働きがあります
ホルモンが急激に減少する閉経後には骨量の15パーセントから50パーセントが失われるといわれます
骨は20歳から30歳のころ最も重く強い状態です
しかし30代後半から骨を強くするリン酸カルシウムの量が減少して骨粗鬆症の状態に近くなります
骨が弱くなる原因は老化現象ですが骨粗鬆症は閉経後の女性に多いのはエストロゲンが不足するからです
エストロゲンは骨のカルシウムが血液中に溶けるのを防ぐ働きがありエストロゲンが不足すると
骨が弱くなるスピードが速くなります
欧米では閉経後の女性にエストロゲンを与え骨折を防ぐ治療が行われています
日本人の骨折する人の割合はアメリカの3分の一です
前立腺がん
前立腺は膀胱と尿道の境目にある精子に栄養を与える期間です
前立腺がんはこの器官にはっせいするがんで初期には頻尿や進行すると尿が出にくくなったり血尿がでます
前立腺がんはエストロゲンの不足が原因に1つといわれホルモン依存性のがんといわれます
治療にはエストロゲンが使用されこの治療は手術や化学療法、放射線療法より効果があります
エストロゲンを使用するとがんは縮小して骨に転移して腰痛などをおこしている場合痛みがなくなります
前立腺がんは欧米に多く日本やアジアには少ないがんです
欧米の場合このがんになると他の部分に転移して死亡率も高いですが日本では少なく死亡率も低くなります
前立腺がんはアジアでは少なく大豆を摂取しているからと考えられています
前立腺がん組織を移植したラットを使用した実験ではマウスに大豆の成分を投与すると
腫瘍ができてもその後腫瘍が小さくなるというデーターがあります
レシチン
レシチンは正常な細胞を維持するのに欠かせない物質です
レシチンが不足すると細胞の新陳代謝が上手くいかず体の不調につながります
体内にレシチンが十分あると細胞が活発になり若返り効果があります
年齢とともに老化を進行する過酸化脂質が増加してきます
過酸化脂質はたんぱく質と一緒に摂取すると
リポフススチンという黄色褐色の顆粒を作り細胞核の近くに沈殿します
リポフススチンは老人性のしみの原因といわれている物質です
リポフススチンを分解する物質にはレシチン、ビタミンE、オレイン酸があります
レシチンとビタミンEの摂取により若返り効果が高くなります
ビタミンEの抗酸化作用がレシチンの中の不飽和脂肪酸の酸化を防いでくれます
レシチンに含まれる不飽和脂肪酸は体内に摂取されると酸化しやすくレシチンの働きも鈍くなりますが
ビタミンEとともに摂取すると酸化を抑えることができます
レシチンは人間の細胞の中に存在して現代では不足している物質です
大豆に多く含まれている成分レシチンは細胞を正常に保つのに役立ちます
人間の体は60兆の細胞でできていますが
この細胞を包み守っている膜、細胞に存在する基礎物質がレシチンです
細胞に必要な栄養素を細胞内に取り入れた逆に不必要な老廃物を排出する働きをします
レシチンが不足すると細胞に異常がおこり体調不良で疲れる、記憶力の低下
不眠症、頭痛、胃腸の調子がが悪くなるなどの症状がでます
レシチン不足を放置すると動脈硬化や脳出血、心筋梗塞、脳梗塞、痴呆症の原因になります
またレシチンは脳にも存在して脳には140億の脳細胞がありますが
神経細胞が活動するためにレシチンが必要です
レシチンが不足すると脳細胞に疲労物質が溜まり
イライラ、不安、ストレス、精神的な症状、頭の回転が鈍くなるなどの原因になります
レシチンは善玉コレステロールを減少させず
悪玉コレステロールや中性脂肪を溶かして体外に排出してくれます
これらは油の分子を細かくして水に溶けやすくするレシチンの乳化作用によるものです
コレステロールの中には血液を移動中に血管壁にコビリツキ石のように硬くなる場合もあります
それが血液の流れを悪くして血管を弱くして動脈硬化や心臓病、脳卒中などの原因になります
レシチンは血管壁に付着したコレステロールを溶かしてくれます
溶かされたコレステロールは血管を通過して体外に排出されます
レシチンを日常的に摂取すると動脈硬化の予防や動脈硬化の改善につながります
レシチンやイソフラボンは現代では不足ぎみで摂取量が少ないtろいわれています
特にアルコールやタバコは大量のレシチンを消費してしまいますサプリで補う必要があります
アルツハイマー型痴呆症の予防にレシチンが有効です
レシチンは不飽和脂肪酸、コリン、グリセロリン酸、リンなどの成分でできていて
このうちコリンは脳の神経伝達物質のひとつアセチルコリンを作る原料です
レシチンは脳細胞膜の重要な構成物質で
脳細胞が活発であればアルツハイマー型痴呆症の予防になります
その他記憶力、集中力、学習力など脳の神経活動の活発化が期待できます
脳細胞のレシチンはストレスで減少するので不足しないように摂取することが大事です
大豆食品にはたんぱく質のほかにレシチンが含まれレシチンは細胞を活発にします
細胞の働きが活発になると細胞は必要な栄養分を吸収して老廃物を排出してくれます
この老廃物排出で余分な脂肪も排出されます
レシチンには肥満を予防する効果があるのでダイエット効果が期待できます
イソフラボンのほかにレシチンは神経細胞の疲労や障害を治す働きがあります
更年期障害では顔面紅潮や頭痛、のぼせ精神的なものにレシチンは良く効きます
レシチンは細胞に栄養を与え老廃物を排出して体の不調や精神的症状の解消に役立ちます
更年期障害の改善に有効です
トリプシンインヒビター
大豆に含まれるトリプシンインヒビターには膵臓の働きを高める作用があり
インスリンの分泌を増加させ糖尿病の予防や改善に役立ちます
口腔、食道、大腸、肝臓などの消化器のがんの予防効果があります